最近はまっている漫画。
『ギャングース』
十代の頃に頭の中で描いてた夢と、この漫画の主人公の夢が似てて、のめり込んでしまう。
そして、思う。
多分僕はポジティブなネクラだ。
自分に自信が無くて仕方が無い癖に、自分達の音楽を演奏する。
人前に出るのが怖くて仕方ない癖に、シュノーケルでLIVEをする。
作り上げてはぶち壊して、そのLIVEと言う時間が堪らなく好きなんだ。
僕は外に出るのが怖かった。
用事も無く友達に連絡して、一緒に過ごすのが怖くて、用事が欲しかった。
それが音楽でバンドだった。
始まりはそんな感じだった。
悪い事をしてしまい、近所のお姉ちゃんに更生の為に貰ったギターを弾くガキの頃、ちょっと弾ければ先輩に虐められる様な暗い学校で、最低だと思ってた。
LIVE前にシールド切られたり、ギターに座られたりしたなぁ。
嫌だなぁと思いながら、適当に受け流す。
挑発に乗れば嵌められる。
LIVE直前に弦をアベコベに張られた事も有る。
イラついたので、先輩より上手くなった。
先輩方はお金持ちのお子様で、音楽の専門学校に行く事を執拗に僕に自慢してきた。
好きにすれば良いのにと思った。
ギターにのめり込めば込むほど、周りから浮いてしまって一人になった。
沢山の友達に自分の音楽を押し付けて一人になった。
一人も悪くなかったが、同時にヤンキー漫画で読んだ、不良の友情なんて無いって思った。
その頃にはもう、バンドしか無くなってた。
もともとバカで勉強も喧嘩も出来無い僕は、学校からも、部活からも、不良からも脱落して、ギターを弾いた。
救いなんて無くたって、未来なんか考え無いで、今をなるだけ美しく生きようって思いながらね。
楽器が欲しかったので高校に行かなかった。
僕が中卒で社会に出た理由はそれだけだ。
あの頃の夢は、僕を救う事。
只々頼れる人が居ない日常の中で、僕みたいな奴を全員救う事だった。
その頃は僕の家もピークて崩壊してたw
今は仲良しなんだけどね。
母親が死んだ時、葬式でさ、何にもでき無くて、弔辞を読んでさ。
全然泣け無くて、ぼーっとしてたらさ、幼馴染みがさ、近寄ってきて俺のケツを叩いた。
途端に涙が溢れて、みっともなく泣いた。
顔を上げると、ガキの頃からの友達がいた。
嫌な事は有るんだ、俺はバンドバンドで友達を大切に出来なかった。
嫌な事は有るし、逃げ出したり諦めた事もある。
でも、友達は居た。
家族を亡くしたのは悲しかった。
そして、気付けて嬉しかった。
最近嵌ってる漫画、ギャングース。
あの頃の孤独と、仲間と、描く未来とを思い出せた漫画。
出会えて良かった漫画。
そして未来を描きながら、過去を思い出す。
15才
夜明け前にPHSがなる。
電話の向こうから『かばやん、走り出したい朝やね?』との声が聞こえる。
僕は答える『なん言ーよか分からんし!』上着を探しながら。
母親は寝てる。
昨日も夜遅くまで働いてたからな、お疲れさん。と思いながら、財布から500円を拝借する。
夜明け前の階段を駆け下りながら、どうやって他の仲間を呼ぶかを考える。
僕は舌打ちが上手くない。
携帯なんかない時代。
小石を窓にぶつけて集合。
体育館の屋根によじのぼり、大人ぶって飲み慣れない缶コーヒーを飲む。
「ほら、朝日が来るよ、みんな黙って!!!」