寒いのは嫌いだ。
対応しないと風邪をひく。
着込むと体が疲れる。
滅多に肩こりにならない僕も、この時期はたまに肩が張る。
いやだなぁ、寒いの。
疲れるなぁ。
明日はバレンタインデイ。
中学校の頃さ、三人組で遊んでて。
バレンタインのあの日も、おがちゃんとこみと三人で帰ってた。
二人はモテる。
二人だけじゃないな、僕の友達はみんなイケメンだ。
僕は頭二つモテなくて、頭一つ小さかった。
彼らはチョコの話を中々しない。
貰ってない僕に気を使ういいやつだ。
でも、鞄の中身がチョコだらけな事はお見通しだ。
気づくと、後ろから女子が二人ついてくる。
「香葉村クン!!!」
僕が呼ばれる。
おがちゃんとこみはニヤニヤ僕を見る。
僕は「やれやれ」と女子に向かう。
そして、二人は二人にチョコを渡す様に僕に言う。
いや、期待はしてなかったよ。
毎年恒例だ。
でも、うん。
二人のチョコを二人に渡して家に帰る。
家で食べる母親からのチョコはなんだか敗北の味がした。
あの頃はモテたかった。
好きとか嫌いとかそんな事でやいのやいの言いたかった。
放課後帰り道に一緒に帰って、同級生に揶揄われたかった。
靴箱にラブレターを入れてほしかった。
授業中に小さく折った手紙で放課後のデートの約束をしたかった。
明日僕はきっと義理チョコを貰うだろう。
今頃きっと、女子諸君はラブレターを書くんだろう。
誰かが誰かと付き合って、チョコを貰えたりあげたり。
みんなの恋愛が成就します様にお祈りしております。
では、また明日。.