今でこそ、怒りっぽい性格だ。
言いたい事は出来るだけ言うようにしてる。
でも、熱量が足りない場合は引っ込める。
相手に意見を言い聞かせるのはとてもカロリーを使うので、面倒だと感じたら、予め諦める。
ハリネズミがさ、
麦畑を見に行く物語知ってる?
国語の教科書に載ってんだ、なんだろう?
タイトルまでは思い出せないが、金麦畑的なそんなヤツ。
ハリネズミがさ、仲間を連れて三匹で金麦畑を見に行く的な物語だったように記憶している。
学校の先生が言う
「この物語の主人公は誰ですか?」
子供達(僕を含む)
「はりねずみー!」
さらに続ける
「登場人物は何人かな?」
この物語は三匹が金麦畑で、金麦畑の唄を聴くと言う物語。
「一人だと思う人?」居ない
「二人だと思う人?」居ない
「三人だと思う人?」僕以外みんな。
「あれ?香葉村くんはどうしたのかな?」
僕は言う「金麦畑は歌ったから、登場人物に入れて四だと思います。」
僕はリンチにあう。
そう、小学生特有のあのリンチ。
正義を。正解を、教諭の権力によって生まれる総攻撃。
「麦は植物なので登場人物には入りませーん!!」
「麦が登場人物だってw」
「セリフがあって喋ったのは三匹なので、登場人物は三人だと思いまーす!(クラス一同:おーなーじでーす!!)」
びっくりした僕は黙ってしまい、あろうことか自身の間違いを謝罪させられる事になり、適当に反省したふりをした。
今の僕がその時の僕に憑依出来たら、言いたかった事を言うだろう。
まず、動物なのに登場人物と言う言葉で表現している事。
これが一番腑に落ちなかった。
動物が人物として括られる中、歌を歌った植物である麦は何故頂上人物に入らないのか、納得の行く説明を求めたい。
あぁ、僕は教師に恵まれていなかった様に思う。
小中と、担任は7人いたが、全員バカだと思っていた。
小学校の頃の担任の大半は暴力に溺れ、10歳未満の子どもにゲンコツやらビンタやらをしてニヤついている変態だったし。
当時はそれが普通とはいえ、よく子どもを毎時間毎時間ボカスカ殴れたもんだと思い出してゾッとする。
下着だけにされて校庭にほっぽり出されたりもしたし、凄い教師だと思うよ本当。
未だに教師やってんだろうな。
その暴力教師に読めない漢字(当時五千円札の新渡戸稲造)の読み方について聞いたら、あらとべいなぞうだと教わった。
後日間違いを指摘したら、僕の名前の漢字はそもそも間違っている、そうは読めないという話をコンコンとされた。
んん。
暗いのか?
いや、暗くはない。
そもそも、こんなことただの思い出で、トラウマでも何でもない。
この手の幼少期を、特に怒ることなく過ごした。
怒らなかったせいで、色々な機会や尊厳を踏みにじられたと思っている。
さぁ、みんなとりあえず怒ろう。
今でこそ、怒りっぽい性格だ。
言いたい事は出来るだけ言うようにしてる。
でも、熱量が足りない場合は引っ込める。
プラスとマイナスを鑑みて、どうするべきかを毎回選ぶ。
相手に意見を言い聞かせるのはとてもカロリーを使うので、面倒だと感じたら、予め諦める。