音楽を休んでいた時は、殆ど音楽を聴いていなかった。
再開の時もシュノーケルの練習に明け暮れてたから余裕がなくて、年が明けてから少しづつ、最近の音楽を聴いている。
良いバンドが沢山いて、対バンしたいバンドが沢山見つかった。
休む前に一緒にやってた皆も、続けてたり辞めてたり、形を変えて続けてたり。
ブービーベンツを聴いたら、なんだか懐かしくて、会いたくなったから早速ネットストーキング。
連絡先知ってるけど、連絡するのが照れくさい。
ブービーベンツはなんか、バンド仲間というより友達だ。
あの頃は怒涛の日々で、人見知りの僕は友達作りが下手で、本番前なんて集中モードに入るから、中々人と仲良くできなかった。
もっと友達作れば良かったと思いつつ。相変わらず本番前はベッドフォン付けっ放しで人と話したく無い自分だしな。無理だ。
そもそも、夕方家で一人になりたい僕は友達付き合いに不向きだ。
そんな中仲良くなれた人達はとても大切にしたいと思う。
そういえば、年明けにテレビに小出君が出ててびっくりした。
俺が牛乳吹くかと思ったわ!
シュノーケル全員でのリハスタに久しぶりに入った。
西村さんが「あけましておめでとう」って言っててびっくりしたけが、年が明けてあってなかった。
最近はラインやらなんやらで打ち合わせする事が多い分、合う事が減った。
ネットやデータのやり取りだけでも、結構突っ込んだ所まで音合わせも出来る時代だ。
僕も今使ってるパソコンが無くなると大分困ってしまうもんな。
スタジオに入って練習して、話し合っては練習して。
何百回演奏した曲でも新たな発見があって、訂正し、細部に磨きをかける。
大体僕が磨きに磨いた細部は、ライブで盛り上がったヤマダマンに忘れ去られる。
ライブは生き物で、野生だから、それで良いんだと思う。
シュノーケルの潜在意識の彼方に、筋肉と神経の反射の中に刷り込む様に、
本番さながら演奏する。
次ツアーもまた、これまでと違う演奏をするんだろうなと思う。
やりたいイメージが固まってきました。
後は大きな音でぶつけましょう。
自分の名前が大嫌いだった。
子供の頃は、なんだってカバなんだろう。虎とか龍だったらカッコ良いのに。と、よく思っていた。
カバはダサい。
先ず、大きさで象に負け。
個性でサイの角に負け。
水辺ではワニの格好良さに負ける。
個性と言えば歯磨きとうがい位。
でも、別にカバは歯並びが良いわけでは無い。
多分、うがいもしない。
回文を理解し出した小学校低学年の頃なんて、もう最悪だった。
「おい!バカ村!!」
多分、僕は平均的な皆の20倍はバカと呼ばれている。
珍しい名前だから、皆に覚えてもらえて良いよね。ありふれた名前の知人は言うが、大きな間違いだ。
何年もお世話になっている恩人にも平気でカバシマとよばれる。
ニ十数年一緒にいる親友の親も、今だに僕の事をカバヤマだと思っているらしい。
と、香葉村もカバも嫌いだった僕だが、今は結構気に入っている。
初対面の人と必ず話題になるし、話題になった時面白く終われるテンプレートも出来上がった。
年賀状やら手紙やらを描く時も、良いロゴのネタになるし。
何時の間にかカバも気に入って、グッズも集めだした。
でも、カバヤマ、カバシマと、呼ばれると凹む。
それはただの間違いだもの。
最近お気に入りのおもちゃ。
見慣れた光景と違和感と、見慣れたはずの景色にびっくりするけど、落ち着く事。
一昨年、母が危篤という事でちょいと長い間福岡に帰った。
帰ってみると母の変わりようにびっくりしたが、
付き添う事くらいしか出来る事が無いので病院と実家を往復する毎日だった。
僕の家は団地の五階で、玄関を出て最初の一段目に腰をかけて靴を履くのが一日の始まり。
景色は変わらない様で、何かが変わっている。
何が変わったのだろう?
何が、、?
何かが違うんだけど。
あ!
そうか、
そんな事もあるんだな。
山が一つね、僕の視界の左端にあるはずの山が無い。
砂利か何かを採掘してた山なんだけど、こうも見事に無くなるんだね。
新しい景色を見下ろしながら、昔より高い所が苦手になっている事に気がつく。
ここで育ったくせに、今は高い所駄目なんだな。
昔の僕の家の周りはエグかった。
本当にエモかったのを覚えている。
団地の子供は大体不良で、お兄ちゃんやおねぇちゃん達は大体怖かった。
団地の周りは一周違法駐車が囲んでおり、3台に1台は窓ガラスが砕けてて、
8台に1台くらいはひっくり返っていた。
毎日誰かが怒鳴っていて、何年かに一回大人の花火の音が響いたらしい。
真面目でも不良でも無いシャバ増の僕は、怯えて過ごしていた。
今は違法駐車は1台も無くて、団地を囲んでいた田園も全部住宅になっている。
此処で育って、此処で死ぬつもりだった僕は。
なぜ今神奈川に居るんだろう?
音楽を始めなければ、この町で何をしてたんだろう?
通っていた小学校への路がてら、ふらふらと思いを巡らす。
平日の昼間に合えるはずも無い同窓生に、偶然合う事を期待しながら。
アリブンと言う、駄菓子屋兼文具屋を覗きながら、案外変わらないおばちゃんにびっくりした。
僕が初めて作ったオリジナル曲のタイトルになった文具屋だ。
『♪ありぶんのおばちゃん 万引きすぐバレるー♪』
から始まる心からどうでも良い曲。
学校を眺めると、なんだか不思議な気持ちになる。
あの頃は普通の事だったけど、
学校の端っこの三階と四階部分が取り壊されていて、
そこから鉄骨がむき出しになっている。
何故、あそこはあのままなんだろう?
むき出しの鉄骨はそのままなのに、プールと体育館は建てかわっていた。
小学校を経由してスーパーマーケットへ。
醤油売り場を見てびっくりする。
品揃えが半端じゃないのだ。
濃い口、薄口、旨口、甘口の醤油がドドーンと並んでいる。
平均的な関東のスーパーの5倍くらいの量がある。
あ、家で使ってた醤油だ。
なんだかそれを見つけた途端、違和感を抱えた景色が普通の事になる。
頭の中の関東のスーパーマーケットが正解から間違えに書き換えられる。
甘い醤油と適当な刺身を買って帰えった。.