SNOWKEL

DIARY

2015-02-03-Tue

心に鬼を飼う

節分には太巻きを買って、皆で黙って同じ方向を向いて食べる風習があるという。

なんだか、凄い風習。

僕が子供の頃は、豆を鬼に向かって投げる日だった。

鬼に扮した誰かに、フルスイングで豆を投げる事が許された日。

鬼は外!

福は内!

鬼は外!

福は内!

 

ゲラゲラと笑いながら、痛がる鬼に豆を投げつける子供たち。

怖い風景だ。

 

あれ?

 

鬼は外で窓から豆を投げるんだっけか?

福は内で家の中に撒いて?

んー?

あんまり覚えていないが、家でやった記憶は無い。

小さい頃はやったかもしれ無いが覚えていない。

 

豆や穀物には、厄災を祓う力が秘められているという。

禍々しいモノ=鬼に豆を投げつける事で、鬼を退治し、その豆を食べる事で自分の中の厄災をも祓う風習なそうな。

 

 

平成の初め頃

 

おーい!大変だ青鬼どんが豆でやられたぞー

 

畜生め!!何たって人間は俺たちに豆を投げつけるんだ!!

 

仕方ないのじゃよ、我々鬼は存在自体が厄災。人もまた生きるためなのじゃ!

 

てやんでぃ!!おいらぁ人間はにギャフンと言わせちゃりますけんね!!

 

やめーい!!人を傷つけてはならぬのじゃ

 

しかし、このままじゃあ、俺たち鬼はやられてばかりじゃねえか。

 

お父さん!あたい思い付いたんだ。もっと平和で馬鹿みたいな事を流行らせれば、人間は鬼退治を、辞めるんじゃない??

 

それじゃ!!

 

皆のもの!飛び切り馬鹿みたいな風習を考え流行らせるのじゃ!!

 

そして僕は太巻きを買おうか悩み出す。.

2015-02-02-Mon

君に夢中

酔いどれながら歩くのが好きだ。

冬の景色は冷たくて、僕の背筋をしゃんとさせる。

月が丸いとなお良い。

視力低下気味の僕には、だいたいが満月様にみえる。

 

姉と夜のベランダでUFOを見つけた。

見慣れた景色に大きな葉巻型のUFOが浮かんでいた。

あの頃は姉もぼくもまだまだ子供で、二人で過ごす時間が多かった様に思う。

中空に浮かぶ葉巻型のUFOは突然消えた。

UFOを始めて見る僕には衝撃的だった。

 

「私は昔良くUFOに攫われよったけんね」

そう発した姉は、幼少期にUFOに攫われて受けた実験の話しや、会話の話、UFOの話を矢継ぎ早に僕に話す。

怖くなって、無力な自分に泣いたのを覚えている。

 

それから何年も経って、姉にその時の一連を話すが、まったく覚えてい無いと言う。

あの話は弟をからかう嘘だったのかなんなのか、彼女が覚えていない以上闇の中だ。

 

ただ、あれ以来姉の人生は神がかっている。

無茶苦茶なのに、筋が通っていて。

欲しいものもドンドン手に入れる。

多分彼女は攫われて改造されたんだろう。

 

だから彼女はすごいと思えば何か納得いく。.

2015-02-01-Sun

一月は行く

あっという間に一月が行く。

2月が逃げる前に捕まえなくちゃ。

「ほらほら、多望!捕まえてごらんなさーい!おほほほほほ」

僕は冬のビーチで2月を追いかける。

でも、2月は100m10秒を切る。

 

 

僕は鈍足だ。

 

本当に足が遅い。

 

 

 

幼稚園の頃に劇をした。

赤ずきんちゃんの狼役だ。

例のやりとりの後、4才の僕はベットから飛び出す。

「お前を食べる為さ!!」

ベットの周りを逃げる森田さん。

追いかける香葉村。

 

二週目に差し掛かるころ、会場ないから沸き起こる笑い声。

 

そして、

 

僕を追い抜く森田さん。

 

 

多分最初のトラウマだ。

 

 

多分鈍足な僕は2月を逃がすし3月には去られる。

 

 

皆が僕を捕まえて下さい。.

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